第4部:「変革」はどうして成功しないのだろうか

企業の「変革」と聞いてまず最初に、思い浮かぶのはどんなことだろうか。
「〜プロジェクト」と名前のついた新しい欧米の経営手法、戦略、制度などを導入した大規模な「全社的活動」を思い浮かべるのではないだろうか。
さらにそれに対する現場の反応は「・・またか。」「何も変わらないのに時間の無駄だね」。「とりあえず会合だけ出ればいいんだろう。」こんな不平、不満がセットとなっているのではないだろうか。
現場の反応がこれでは「変革」が成功するはずがない。 自らが「変革」の対象になっているという「当事者意識」はなく、「〜プロジェクト」も単なる会社の上層部からの「押し付け」、なんでそんなことやるんだ?という「経営者への不信感」・・・
もうおわかりかもしれないが、企業の「変革」を行おうという時、最初に着手しなければならないのは、トップを含めた企業の人員ひとりひとりの意識を変える、心をポジティブに動かすことである。
組織の最小単位は人であり、人の意識を変えなければ、組織もまた変わらない。

“ゴーンマジック”と呼ばれる日産自動車の「変革」の驚異的な成功はまさにそれを体現した、良例である。 「コストカッター」という冷酷な異名までついたカルロス・ゴーン社長による、ドラスティックなその「変革」手法の最大の特徴は、“社員との徹底した対話”であった。自ら現場に出向いて問題点と対策を徹底的に話し合い、更に自らを含めた全社員に改革の目標値と実行を公約させる。 ゴーン社長が社員全員の信頼感を勝ち得て、全社一体となって公約を達成したことが日産再建の秘密である。

企業の「変革」はいわゆる“リストラ”に代表とされるような痛みを伴うものになりかねない。 しかしながら、それでも必要なのだという強い決意と明確な目標を掲げ、お互いが納得のいくまで徹底的に話し合うことによって、「変革」は企業のトップと社員全員のコンセンサスとなり、たがいの「信頼関係」を生む。そこで初めて「変革」は成功への1歩を踏み出すのだ。

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